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平成18年度 青森県男性の男女共同参画に関する意識調査

委託先:特定非営利活法人ウィメンズネット青森

調査研究の目的と意義

 男性の男女共同参画に対する理解と関心を高め、家事・育児・地域活動への参画を促進するための方策を探ることを目的に、本県男性を対象にした男女共同参画についての意識調査を実施することとした。

調査概要

1.調査目的

 青森県の男性が、男性としての生き方、家庭や地域へのかかわり方、男女共同参画社会のあり方などについてどのように考えているかを明らかにし、今後の青森県の男女共同参画に関する施策の基礎的資料とする。

2.調査の対象

青森県在住の15歳~75歳未満の男性1,500人
層化ニ段無作為抽出法により抽出

3.調査の方法

郵送調査法(郵送で調査票を配布、回収する)

4.調査の期間

2006年10月末~11月 (アンケート最終締め切り11月30日)
督促はがきを11月初旬に1回郵送

5.回収状況

配布実数:1,663(予備票含む)
回収数:495
回収率:29.8%

6.調査項目

■回答者の属性:年齢、職業、居住市町村

(1)男性であることについての意識

①性別の満足度
②生まれ変わるなら男か女か
③男らしさへの賛否
④男性であることの不利・不自由への共感
⑤男性問題への認識

(2)家事・育児・介護、地域活動への参加

①家事・育児・介護への男性かかわり方
②日常的に参加している家事
③地域活動への参加状況
④これからの男性の生き方

(3)男女共同参画社会に対する認識

①男女共同参画社会の認知
②男女共同参画社会への関心
③男女共同参画社会の姿への賛否
④男性対象に必要な行政施策

(4)自由意見

調査結果のまとめ

1.男性であることについての意識

(1)全体的に男性であることに満足している。

ただし、年代による差が大きく、50代以上では満足している人が90%を占めるが、20代以下では〈どちらとも言えない〉人が20~30%にのぼる。

(2)生まれ変わるとしても男性に生まれたいと思っている。

ただし、年代による差が大きく、50代以上では男に生まれたい人が80%を占めるが、10代では〈どちらでもよい〉が過半数にのぼる。

*「自分の性別(男であること)への満足度」と「生まれ変わりたい性」の回答結果は、相互に関連しており、男性であることに満足している人は、男性に生まれ変わりたいと回答し、満足していない人は、女性に生まれ変わりたいと回答している。また、どちらとも言えない人は、生まれ変わりたい性についてもどちらでもよいと答えている。

(3)「男らしさ」の意識は、年代が若くなるほど弱まっている。しかし、依然として「男は妻子を養う責任がある」と「男性は女性をリードしなければならない」は若年世代にも強固に根付いている。

  • 最も支持が多いのは、「男は妻子を養う責任がある」ですべての年代に支持(そう思うと回答)されている。
  • 「男は女をリードしなければならない」も年代を問わず支持されている。
  • その他の男らしさについては、年代が若くなるほど支持されなくなっている。
  • 40代は、「男は競争に負けてはならない」の支持率が、すべての年代を通して最も低い。
  • 「男は人前で弱音を吐いてはならない」や「男は他人を頼ってはならない」は、50代以下では支持されなくなっている。

*男らしさの意識は、年代が若くなるに従って弱まっているといえるが、「男は妻子を養う責任がある」と「男は女をリードしなければならない」については、10代や20代でも、支持が多数を占めている。このことを考えると、従来の男性主導および性別役割分業を支える意識は、若い世代にもしっかり受け継がれており、今後の変化の見通しについても楽観はできないと思われる。

(4)〈何かにつけて女性よりも責任を持たされること〉を、男であることの不利・不自由と感じている人が32%。不利・不自由体験がない人も29%。具体的な不利・不自由体験は多様であり、年代による違いが大きい。

  • 最も支持が多いのは、「男は妻子を養う責任がある」ですべての年代に支持(そう思うと回答)されている。
  • すべての年代に共通しているのは、〈何かにつけて女性よりも責任を持たされる〉こと。
  • 全体的に、〈結婚しないと一人前と認められない〉〈親の扶養を期待される〉〈家の跡取りとして期待される〉など家族や家に関する責任を負担(男であるが故の不利・不自由)と感じている。
  • 若年世代(10~30代)は、〈女性に比べてサービス(特典、割引)が少ない〉や〈女性に比べておしゃれの幅が少ない〉など、生活上の実利的な面で女性のほうが優遇されていることに不満を感じている。

*男性が不利・不自由に感じていることは、かなり広範な場面でみられるが、年代や個人による差が大きい。11の選択肢の中で、突出しているものはないが、これまで男だったら当たり前と見なされてきたことに対して、少しずつ「おかしい・不利だ・男性に対する差別だ」と意識する人たちが増えてきていることはまちがいない。今後、より多くの男性がこれらの意識を共有するようになれば、従来のジェンダーを基本とする社会に対する男性の立場からの異議申し立てと変革を求める動きにつながっていくことが期待できるのではないか。

3.男女共同参画社会に対する認識

(1)男女共同参画社会について〈言葉も内容も知らない〉人が18.1%。

  • 〈内容を詳しく知っている〉3.4%、〈内容を少し知っている〉39.4%で、あわせて内容を知っている人は42.8%。全体的に、言葉を聞いたことがあったり、内容を少し知っている程度の人が多い。
  • 20代と30代は、〈言葉も内容も知らない〉が26~30%にのぼる。

(2)男女共同参画社会に関心がある人が54.2%、過半数を超えるが、年代による差が大きい。

  • 関心がある人が過半数を超えてはいるが、少し関心がある程度で、大いに関心がある人は10%に満たない。
  • 40代以上に関心が高く、とくに70代が最も高い。
  • 10代と30代は、関心がない人が58%~65%にのぼる。

*「男女共同参画社会についての認知度」と「男女共同参画社会に対する関心の程度」は、相互に関連しており、男女共同参画社会について知っている人は、関心も高く、言葉も内容も知らない人は、関心も低い。

(3)男女共同参画社会の姿に対する賛否

【項目】
①「男女が共に、家事・育児を担うようになり、夫婦や親子の絆が深まる」
②「男らしさや女らしさに縛られず、ひとりひとりの個性が発揮できる」
③「共働きが当たり前になり、子育てや介護に対する社会的サービスが充実する」
④「男女の性差(違い)を無視して、男女を同一に扱うようになる」
⑤「男らしさ女らしさが失われ、男女が中性化する」

  • ①「男女が共に、家事・育児を担うようになり、夫婦や親子の絆が深まる」に、“そう思う”・“どちらかといえば、そう思う”と答えた人は合わせて83%で最も高い。
  • ①はすべての年代で支持されているが、とくに20代と70代に支持する人が多い。
  • ②「男らしさや女らしさに縛られず、一人ひとりの個性が発揮できる」は73.3%の人が支持している。すべての年代で、支持が多数を占めるが、とくに10代と70代に多い。
  • ③「共働きが当たり前になり、子育てや介護に対する社会的サービスが充実する」は、60.5%の人が支持している。すべての年代で支持が過半数を超えるが、年代によりバラツキがみられる。20代と60代、70代には支持する人が多いが、10代では、支持と不支持が拮抗している。
  • ④「男女の性差(違い)を無視して、男女を同一に扱うようになる」は、不支持が58.4%で支持を上回る。年代による違いがみられ、40代と50代には不支持が多いが、70代では、支持する人が過半数を超えている。
  • ⑤「男らしさ女らしさが失われ、男女が中性化する」は支持する人は33.8%で、不支持が66.2%と多数を占める。すべての年代で、不支持が多数を占めるが、とくに10代と20代では、78~81%にのぼる。

*④と⑤は、男女共同参画社会の推進に反対する立場から、喧伝されているイメージである。上記のように、そう思わないという人が過半数を超えているが、そう思うという人もかなりの割合にのぼっている。こうした誤ったイメージを払拭するための働きかけが必要である。

(4)男性対象に必要な行政施策として、〈新聞・テレビなどのメディアを通して、男女共同参画について広く知らせる〉(〈メディア〉と略記)をあげる人が49,8%で最も多い。

  • すべての年代で、〈メディア〉が上位にあがっている。職業別でも、商工自営業や公務員をはじめほとんどの職業で1位にあがっている。
  • 2位は、〈男性の育児・介護休業取得を勧めるよう、企業・事業所に働きかける〉42.7%。20代と30代では、1位にあがっている。職業別では、公務員や主夫で上位にあがっている。
  • 3位は、〈県や市町村の広報誌やチラシなどで、男女共同参画についての情報を提供する〉39.8%。60代で1位にあがっている他、70代や50代でも上位にあがっている。職業別では、農林水産業や無職、パート・アルバイトで上位にあがっている。
  • 4位は、〈学校教育や社会教育の中に、男女共同参画について学ぶ科目や講座を設ける〉37.1%。10代で1位にあがっている他60代でも2位にあがっている。職業別では、学生や商工自営業、会社・団体管理職で2位にあがっている。
  • 5位は、〈男性の労働時間短縮を、企業・事業所に働きかける〉35.1%、30代と40代では2位にあがっている。職業別では、会社・団体職員で1位にあがっている。

*全体的には、メディアの活用をあげる人が最も多いが、10の選択肢すべてに16%以上の回答率があり、多方面にわたる多様な取り組みが必要とされているといえる。また、年代や職業によって回答率や順位に違いがあることをみても、それぞれの年代や職業に応じたきめ細かい施策を講じることが求められている。

※ホームページでは概要のみの紹介になります。報告書をご覧になりたい方は、下記までお問合せください。

配布先 

  • 県内各市町村男女共同参画担当課
  • 全国の男女共同参画(女性)センター

などに配布しております。 

問合せ 

青森県男女共同参画センター
青森市中央3丁目17の1
TEL 017-732-1085 FAX 017-732-1073  

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