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女性活躍推進企業の取組事例 (株式会社 オカムラ食品工業)

業種:養殖業・加工業

株式会社 オカムラ食品工業

設立:1971年8月 本社所在地:青森県青森市八重田1-6-11 従業員数:284人(男性126人/女性158人)

日本初の試みで働き方を変えていく


総務人事部 岡村 祥平さん

主な女性活躍推進のための取組・時差勤務やリモート勤務などの柔軟な働き方
・公平で納得感のある評価制度
・機械化の推進で負担軽減

青森発のグローバル企業として、アジア、欧州の世界8か国において
サーモン養殖・加工・販売を展開している株式会社オカムラ食品工業
東京本社 総務人事部 岡村祥平さんにお話を伺いました。

Q.女性が働きやすくなるような取り組みを始めたきっかけについて、教えてください。

岡村さん:
 2018年に新規ビジネスとして、県内の町や村でサーモンの養殖を開始しました。「消滅可能性都市」と位置付けられていたそれらの町村には高齢者が多く、肉体労働ができる若い人材は非常に少ない状況でした。地元の漁師の方を通じた紹介で少しずつ労働力を確保していたものの、早急に人材確保の施策を練る必要がありました。

 また、当社で活躍している主力女性が相次いで退職してしまうことが、当社の悩みでもありました。ライフステージが変わるタイミングで、「現在の働き方では家庭と仕事との両立が難しい」という理由で退職してしまうのです。「このままではいけない」という強い思いから、働き方を変える取り組みを始めました。

 

Q.どのように改革を進めていったのですか。

岡村さん:
 養殖は本来、きつい肉体労働を伴う仕事であるため、その担い手は若い男性が大半を占めています。しかし、その地域に人が少ないという状況下において、若い男性だけでは十分な労働力は確保できません。そこで女性も活躍できるよう、これまでの養殖の「普通」を変える方向に舵を切りました。
 肉体労働だった養殖作業を機械化することで、女性でも負担なく業務を行えるようにしたのです。

 具体的には、沖までボートを運転し、人力で行っていた餌の積み込み作業や餌やりを、バージ船を用いた遠隔給餌システムへと変更しました。パソコンを操作すれば餌が生け簀へ飛んで行くこの給餌作業は、陸の事務所内にいながら行えるようになりました。

 これにより、従業員の肉体的な負担軽減のみならず、天候によって左右されていた給餌のタイミングの難しさも解決しました。

 

Q.かなり革新的ですね。

岡村さん:
 そうですね。実は北欧だと普通なのですが、日本はこの分野ではまだ遅れを取っています。我々の子会社が北欧にあるため、そのノウハウをどんどん持ってきた結果、誰でも無理なく仕事が出来るよう改革を進めることができました。

 

Q.この養殖作業の「システム化」によって現場に従事する女性は増えましたか?

岡村さん:
 ありがたいことに女性従業員は非常に増えました。UターンやIターンの女性も増え、地方の雇用創出につながりました。

 

Q.働き方の制度として、時差出勤やリモートワークなども取り入れているようですね。

岡村さん:
 時差出勤は、青森・東京の両本社で導入し、柔軟な勤務体制を整えています。東京本社ではリモートワークも可能です。青森本社は工場や品質管理部門、店舗での小売部門が中心のため、現場に出勤しないと仕事が成り立たない部署がたくさんありますが、公平感のある運用を目指して現在模索中です。

 また、繁忙期である4~6月も完全週休二日制を実現できています。子会社との連携により、日曜日は水揚げを停止するなど、しっかり休める体制が構築されました。

 

Q.育児休業などの制度の利用状況とそのフォロー体制についてお伺いします。

岡村さん:
 子どもが生まれた従業員の育休取得率は男女共に100%。男性の育児休業では、営業担当の方で2ヶ月間取得した実績があります。
 当社のバリューとして「チーム力を大切にする」というものがあります。チームで力を合わせて成果を出していこうという共通認識があり、欠員が出ても「互いがフォローしていこう」という文化が根付いています。
 管理体制においても、法定休暇の取得を見越して各部署でプラス1名の体制を取っています。普段から各部署の上長と連携をとり、従業員が安心して制度を利用できるよう、今後もフォロー体制の整備を進めていきます。

 

Q.人事評価について、どのような評価制度を取り入れていますか?

岡村さん:
 当社では公平性と納得感を重視しています。従業員には目標達成に至るプロセスを数値で評価するための指標(KPI)を設定してもらいます。そのほかスキル、知識、マネジメント能力の合計4つの項目で総合的に評価をしています。
 各部署の上長が一次評価後、一日がかりで調整評価を行います。この調整のための全体会議は大変な作業ですが、公平な評価をするためには必要なものです。 
 また、人事評価をするマネジメント層に対しても、毎年外部の講師を招いて研修を行っています。従業員に対して適切な評価ができるよう、考えのアップデートを図っています。

【従業員の声】 DS2 事業部 三浦さん
 これまで何社か経験していますが、このような人事評価は初めてです。自分の頑張りも見てもらえた
上で、公平に上長が判断してくれる点は非常に良い評価制度だなと思っています。


 

Q.今後の展望を教えてください。

岡村さん:
 当社は2023年に東京証券取引所スタンダード市場に上場しました。上場企業としての自覚をもち、上場企業にとっての「当たり前」を目指して様々な取り組みを推し進めていきます。
 現場の機械化などにより肉体的な働きやすさは大きく進歩したものの、制度面ではまだ必要最低限の法律で定められているものしかありません。
 今後は、復職後のフォローアップ体制をしっかり整備し、1~2年のブランクを経ても安心してキャリアを作り続けてもらえるような仕組みを構築していきたいと思っています。
 また、養殖などの現場での女性活躍だけでなく、営業職にも女性を積極的に登用している試みを行っており、今後さらに女性の活躍の場を広げたいと考えています。
 バイタリティがあって役職に挑戦したい方には積極的に機会を与えつつ、現状維持を望む方にも無理なく安心して働ける環境づくりを進めていきます。

(令和7年7月取材)

 

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