女性活躍推進企業の取組事例(六ヶ所エンジニアリング株式会社)
業種:建設業、機械設備メンテナンス業、金属製品加工業
六ヶ所エンジニアリング株式会社
設立:昭和60年1月 本社所在地:上北郡六ヶ所村大字尾駮字上尾駮22-258従業員数:209人(男性194人/女性15人)
代表取締役社長 附田 妙子さん
・有給の生理休暇
・時差出勤制度
・単身寮建設
・女性活躍推進ワーキンググループ
女性に選んでもらえる企業を目指して
当社は、建設、機械設備メンテナンス、金属製品加工業を主に取り組んでいる企業のため、元々女性が少なく、男性が大部分を占めています。しかし、今の時代は少子高齢化が進み、男性だけに採用のターゲットを絞ってしまうと技術者を育成していくには厳しい状況になります。一方で、働きたいという女性は増えているので、女性に選んでいただける環境づくりが必要だと考えました。
子育てサポート企業と認められる
その取組みの一つが「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画の策定と活動を推進したことです。令和3年、その取組が評価され、優良な子育てサポート企業として「くるみん」の認定を受けました。今後も、そのような認定を受けられるよう取り組んでいきたいと考えています。
※くるみん認定とは、「子育てサポート企業」を厚生労働大臣が認定する制度
「おしごとマルシェ」参加へ
環境が整っても女性の目に止まらなければ、応募のきっかけとはなりません。そのため、女性向けの企業説明会や、青森県が主催している合同企業説明会「おしごとマルシェ」等に参加しています。一緒に参加している企業と並ぶと、当社は少し場違いな雰囲気ではありますが、その中でも興味を持ってくれる女性の方と出会えたらと、足を運び採用に力を入れています。
最近、増えてきた女性社員
当初、女性社員は事務職の数名だけでしたが、この数年で増えてきており、技術職として活躍している社員もいます。技術職は現場での作業はもちろん、書類の作成、金属加工もこなします。デザインの面では特に女性の視点が活かされています。
女性ができることを、きちんと業務の中で分析していけば、活躍できるのではないかと思っています。
一般社団法人日本保全学会が主催する学術講演会にて最優秀賞
昨年度、当社の女性技術者が、力のない女性でも現場仕事がスムーズに出来る道具の開発をし、(一社)日本保全学会が主催する学術講演会で発表したところ、最優秀賞をいただきました。製品を作るという取組みもそうですが、「これからは保全の現場にも女性が必要不可欠である」ことが日本全体で認められたようで、とても誇らしい気持ちになりました。
キャリアが細切れにならないためにも会社の取組みが必要
意識して女性社員の採用に力を入れてきましたが、更に、長く働いてキャリアを積んでほしいという願いを持っています。結婚、出産でキャリアが細切れになってしまうことを避けるには、しっかりと技術や資格を持ち、仕事に復帰することが大切であり、会社としての取組みが必要だと考えています。
新卒採用の比較的若い世代の女性社員が増えたこともあり、ソフト面では、有給の生理休暇や、時差出勤制度等、ハード面では、女性専用の休憩室や単身寮を整備しました。特に大きな変化は、これまでの社員寮はキッチン、トイレが共同でしたが、女性が安心して入居できるようワンルームの個室を建設し単身寮としました。
女性活躍推進のワーキンググループ発足
全ての社員が平等に活躍できる職場づくりを進めるために、社内で女性活躍推進のワーキンググループを作りました。メンバーは男女半々、事務職、技術職と偏りのないよう選定しました。会社の課題解決に向けて活動する中で、メンバーたちから「やっぱりうちの会社ってこういうところがいいよね」という声が上がり、改めて働きやすい職場をつくるという当事者意識を持つことなどの成果が得られました。
ワーキンググループの取組みを通して、働きたい女性を会社として支えていきたいと考えていますが、メリットは女性だけにあるわけではありません。例えば育児休業を取得しやすいよう、社内に窓口を作り、相談対応をしています。対象は女性社員だけでなく、男性社員の妻が妊娠、出産をしたという場合も相談に応じています。窓口設置後3名の男性社員が育児休業を取得しました。
「企業は社会の公器である」
私達は単に女性社員の数を増やしたいというわけではなく、今まで「男性にしかできない」と思い込んでいたところを変えていきたいのです。思い込みを取り除き、一人ひとりの特性に合う業務や資格取得、受け入れの体制をつくっていきたいと考えています。
当社の基本理念である「企業は社会の公器である」は、地域社会の一員として社会と共生し貢献することが、地域経済の一役を担うという自負を全従業員が持って社業に励むことを意味しています。そのために、会社全体で女性活躍を進めることで、社員や社員の家族を豊かにし、周り回って、社員が仕事や研究、資格取得に邁進でき、会社の利益となる。そのように今後も進んでいけるよう、始めたばかりの取組みですが、見守っていきたいと思います。
(令和4年12月取材)

ワーキンググループを通じて課題が見えてきたので、小さなものから解決していけるように自分から積極的に貢献したいです。

ワーキンググループでは、女性社員の率直な意見とそれに対する男性社員の意見を交換することができ、とても有意義な活動になりました。
社員コメント